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【インタビュー記事の書き方】初心者がインタビューするときのコツは?

オウンドメディアやECサイト、自社サイトにブログやコラムページを開設し、情報発信をするのが当たり前になってきました。

最近では採用サイトのコンテンツ制作に力を入れる企業も増えています。

そんなとき、コンテンツ案としてあがるのがインタビュー記事です。

経営者が創業の想いや今後の展望を語るコンテンツは、就職を検討している人にとって、非常に有益です。

採用を意識しているなら、応募者に近い年齢の社員が「先輩社員」として、リアルな言葉で語るコンテンツも効果的ですよね。

でも、肝心のインタビューに慣れていないと、情報が薄く面白みのない記事になりがちです。

今回は、インタビュー記事や動画撮影のための、インタビューのコツをお教えします。

AMUで力を入れている経営者やスタッフさんへのインタビューをメインにお話ししますが、コラムやサイト掲載文の執筆時にも活かせるポイントが多くありますので、シチュエーションを置き換えて読んでみてくださいね。

目次

インタビューの事前準備

  • 社内広報担当が各部署の社員へインタビュー
  • ライターが企業経営者にインタビュー
  • 学生さんが企業の採用担当者にインタビュー

など、インタビューが必要な場面はさまざま。
テキストコンテンツや動画コンテンツの制作には欠かせない工程です。

質問内容のメモを持っていても、いざインタビュー対象者を目の前にすると、頭が真っ白になってしまうこともあります。

私は自分がいま、インタビューライターをしているのが不思議なほど、人見知りでコミュニケーションが苦手です。

特に初対面の人と話すときは緊張MAXでガチガチ。帰宅後には燃え尽きて、寝込んでしまうほどでした。

人と話すのは苦手でも、人を知ることは嫌いじゃない。他の人が気づいていない魅力やエピソードを引き出して、それを文章にして、皆さんに読んでもらう。それが楽しいから続けています。

ではそんな私が、緊張しつつも、インタビューする際に気を付けているポイントをお教えしたいと思います。

事前準備①インタビューの目的をはっきりさせる(インタビュー対象者とも共有する)

インタビュー中に頭が真っ白になる原因の一つは、話が脱線して、何のためにその話を持ち出したのか、わからなくなることです。
質問事項を事前にリストアップしていても、インタビュー対象者の返答次第で、まったく違う質問に軌道修正しなければならなくなることはしょっちゅうあります。


そんな時に慌てないように、今回は何のためにインタビューをするのか、目的を見失わないようにメモしておきましょう。

例えば、BtoB企業のサービス利用者へのインタビュー記事なら、


「クライアント企業の紹介を交え、自社サービス利用前の課題や利用後に変わった点を伺い、見込み客に製品を使ってみようという気になってもらうためのコラム」

と書いておきます。

これは自分のためだけでなく、ヒアリング対象である相手にとっても大切なこと。

自分だけでなくインタビューされる側も緊張しているのだと忘れないようにしたいですね。

私はインタビュー当日までに『事前確認資料』として、

  • インタビューの目的
  • 実施日時や場所
  • 事前に確認済みの資料
  • 一般的な質問の例
  • 当日の注意事項(写真撮影するなら必ず記載)

    などをまとめたPDFをインタビュー前日までにお渡しするようにしています。実際、読んでいただけないケースも多いのですが、お互いの“心のお守り”の意味合いなので気にはしません。

当日にこれを見ながら進めると、方向性を見失わずに済むので、心配性の方には特におすすめの方法です。

事前準備②事前の準備・リサーチ

原稿はインタビュー時にヒアリングした情報を材料にコンテンツを作っていきます。ですから、ヒアリング当日にどれだけ情報を得られるかによって、出来上がる原稿の密度が変わってきます。
ではどうしたらいいか?

何のリサーチもせずに、いきなり質問し始めても、浅いところしか聞けません。読者の心に響く文章にするためには、しっかりと準備をしてヒアリングに臨みたいですね。

AMUでは経営者インタビュー記事執筆を受注した際、企業サイトのチェックはもちろん、経営者や企業名で検索して出てきた情報、SNS、YouTubeなど、手掛かりになりそうなものはざっと目を通すようにしています。

例えば、経営者インタビューを行い、生い立ちから学生時代の起業に至ったエピソード、会社の今後の展望までを1万字以内の記事にする依頼があったとします。
なんの準備もせずに、「ご出身はどこですか?」から聞き始めたら、ヒアリングを終えるまでに3時間以上かかってしまいます。

社名や氏名で検索しても何の情報も出てこなかったら、クライアント企業の会社案内や求人用の資料、社内報など、なんでもいいので事前に提供してもらえないか、聞いてみましょう。

事前準備③アイスブレイク用の話題を仕入れておくと心強い

アイスブレイク用にクライアント企業の業種に関連するニュースをチェックしておきましょう。微妙な沈黙を作らずに早く打ち解けられます。もちろん、意識せずに場を和ませる会話ができればいいのですが、私のようにおしゃべりに苦手意識のある人はなかなか難しいのではないかと思うので準備しておくと慌てずに済みますよ。

初めてお会いする業種の違う人が、業界のことを少しでも勉強してきてくれたら素直にうれしいなと思って優しく接したくなりますよね。ほんの少しの会話で場の雰囲気をやわらげられます。

インタビュー時間は長くても90分程度。そのなかでいかに情報を得られるかは事前準備にかかっています。

事前準備④質問事項を整理して書き出す

リサーチしたうえで、質問事項を書き出してまとめておきましょう。
インタビュー後に制作するコンテンツに必要な情報を優先。上の方に書いておきます。

ただし、後述の通り、インタビュー当日は書き出した質問をその順番通り一つずつ聞いていけばいい、というものではありません。インタビュー対象者の話をよく聞いて、柔軟に内容を変えていきましょう。

質問事項のメモは聞き洩らし防止のため

それでも事前に質問事項を書き出すのは、聞き洩らしがないようにするため。事前準備ですでに頭に入っている情報をもとにどんどん質問して、「あらかた聞き終えたかな」と思ったところでメモを見返します。

時間が余って早々に切り上げるのはもったいないので、少し広めに質問を用意しておきましょう。

また、当初予定していた内容が的外れで軌道修正しなければならなくなった場合に備えて、別視点の質問も考えておくと安心です。

例えば、創業の経緯を聞く予定で質問をたくさん用意していたけれど、実は2代目社長さんで、創業したのはお父様だった、となると、聞けることがなくなってしまうので、現在扱っている新サービスについても質問を用意しておく、といった具合です。


最低限の企業情報が公開されている企業なら、創業年や資本金、住所地などを見ると、何となく背景が見えてきます。経営者インタビューをするなら、一番最初にリサーチすべきは、会社概要。社長名での検索も欠かせません。

インタビュー取材当日

いよいよ迎えたインタビュー当日。緊張していると自分にベクトルが向きがちですが、メディア露出の多い方以外は、ヒアリングされる側も「どんなことを聞かれるんだろう」と不安で怖いのだと忘れてはいけません。
不安に心が占領されそうになったら、“相手のため”に一生懸命考えて行動していると、いつのまにか緊張も消えています。

POINT1 場を和ませ、話しやすい雰囲気に

ご挨拶と名刺交換をしつつ、アイスブレイク。

インタビュイー(取材を受ける側)の業務に少し関係のあるニュースの話や自分と相手の関連する話題を前もっていくつか準備しておきましょう。

「ちゃんと調べてるな」「興味を持ってくれているんだ」と思ってもらえれば、場も和やかになって、インタビューがしやすくなります。

専門性の高い業界でビジネスに関連する話が気軽にできないときは、SNSをチェック。「出身地が同じ」「趣味が一緒」「子どもの年齢が近い」などなど、打ち解けたころに話せる世間話が転がっているかもしれませんよ。

POINT2 相手の話を聞きながら質問する

私が経営者のみなさんへのヒアリングを始めたばかりの頃、話すのが苦手だったのでとにかく事前リサーチと質問事項の準備に力を入れていました。

インタビュイーに事前アンケートと称して大量の質問項目を送ったこともありました。

なかには事前にものすごい分量で、回答を用意してくださる方もいらっしゃったのですが、当日、棒読みで紙を見ながら回答するようになってしまって…。

そうなると、こちらも先にお伝えしていた内容以外は質問しづらい雰囲気に。結局のところ、対面してインタビューしなくても、書面でやり取りすればよかったのでは??という状態に。

心の準備をしてもらうために、ざっくり内容をお伝えする必要はありますが、せっかく対面でヒアリングするのですから、当日の空気感を大切にしたいですよね。

メモは後回し相手の顔をしっかり見てお話に集中しよう

私はインタビュー中、あまりメモを取りません。2つ回した録音機を信頼して、相手の話に全集中。
録音を聞き返せば、話した内容はわかりますが、その場のちょっとした間や視線の動き、空気感はあとからわからないので、その場で体に刻み込みます。

言葉で発したことと本心が違うことは、誰にでもあります。そのちょっとしたサインを感じ取れるのはインタビュー当日のみ。
企業のインタビューライティングでは特に、「口には出したけど、あんまり公開してほしくない情報」にアンテナを張る必要があります。

嫌な印象になりそうな話題も掘り下げてみる

たくさん話してくださる人は、インタビュアーにとってありがたい存在。でも、勢いがついて饒舌に語るうちに、「素の自分」が顔を覗かせます。オブラートに包まれず飛び出てくる言葉は、そのまま書くと嫌味に聞こえたり、自慢げに聞こえて鼻についたり…。

そんなリスクを考えて、言葉を選んで再構成するのも重要な作業です。当日はそのヒントをつかむチャンスなんです。

一見、嫌味に聞こえそうな自慢エピソードも、よくよく聞いてみれば、その自信を裏打ちするたぐいまれな努力があった、なんてことも。そんなときは、“たぐいまれな努力”にフォーカス。弱さや人間味を出せれば、読み手に良い印象を抱かせます。同じ話も角度を変えれば、感動的なエピソードになるんです。その調整をするのが、インタビュアーの大切な仕事です。

POINT3 質問メモに縛られず、柔軟に追加質問を

ヒアリング当日は、その場の雰囲気や流れを大切にしています。

たくさん調べて、資料も読み込んでヒアリングに臨んでいると、ついつい用意した質問の答えを求めがちです。
でも、実際に話してみないと、インタビュイーの伝えたい・話したいことは見えてこないもの。

相手が言いたくない話も当日でないと感じ取れません。

そんなときは“事前の努力”は思い切って捨てて、目の前のインタビュイーが何を話したいのか、どうして違う話に逸れていくのか、返答が曖昧なのか、よく考えます。

会話が弾まないからと焦っても、余計にうまくいきません。

計画通りに質問できそうになければ、いったん、相手が話したいことを話してもらうのも手です。

笑顔ですらすらと出てくる話題を広げていけば、心の奥底に秘めた情熱に触れられるかもしれませんよ!

POINT4 ヒアリングは2時間以内に

仲のいい友達や職場の仲間との飲み会。2時間なんてあっという間に過ぎてしまいますが、インタビューは真剣勝負。インタビュアーも、インタビュイー(取材を受ける人)も2時間以上は集中力が持ちません。

私の場合、インタビュー記事執筆のための取材時間は、3,000字程度なら1時間、5,000~8,000字なら1時間半を目安にお時間をいただいています。

雑談に花が咲いても、必ず2時間で切り上げるよう心がけています。

インタビュー記事を書き始めた当初、「コラム執筆のための月1回のヒアリングが毎回3時間越えているのに、記事できるほどの内容が聞き取れていない」こともしばしば…。話下手な私は、お客様が楽しそうにおしゃべりする姿に嬉しくなって、ついつい本筋から離れた雑談ばかりしていたんです。

そうなると、重要な情報が数時間の中で分散、録音を聞き返すにも1日がかり、話した記憶はあるのに、膨大な録音データのどこで話しているのやら、見当もつかず、涙目…。なんて状況に(笑)

初めは時間がかかっても、目安の時間を決めて、時間内におさめる意識は欠かさないようにしましょう。そのうち、時間通りに話が進められるようになってきます。

世に出ている情報が少なかったり、事前にまったく情報を提供してもらえなかったりするケースもあります。
その場合は、インタビュー対象者でなくても広報痰担当の方などに、事前にオンラインで30分程度打合せのお時間をいただくと、当日のたがいの負担が軽減できます。

POINT5 写真撮影は中盤~終盤に

インタビュー記事に欠かせない顔写真。小さなプロフィール用の写真だけでもいいのですが、できれば、身振り手振り、笑顔や真剣な表情など、動きのある写真があると、よりリアルで読者の興味を引く材料になります。

撮影し忘れないように、最初に撮ってしまいたい気もしますが、場が和んでからの方が良い表情が撮れるなぁと実感してからは、話がダレてきた中盤やあらかた話を聞き終えた終盤に撮影しています。

カメラはプロ用の一眼レフがあれば最高ですが、スマホでも十分。

特に「先輩社員の声」のようなインタビューの場合、直前までインタビュイーが写真を撮られると聞かされていない場合があります。

写真撮影をするとは聞いていなくて、寝癖が付いていたり、汗だくだったりと万全の状態でない場合も、よくあります。社名や氏名が公開される記事が、ご本人にとって満足のいかないものになってしまっては、書き手である私たちも、残念な気持ちに…。

身だしなみや服装など準備が整っていない様子ならば、後日、社内で撮影して送ってもらう、以前に撮影した写真を提供してもらうなど、こちらから提案し、柔軟に対応しましょう。

「必ず撮影しなくては!」と気負わないこと、写真撮影があると伝え忘れないことが大切です。

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